このページでは、単発派遣バイトで働くための、登録から就業までの流れと注意点を解説します。
初心者の人はもちろん、ベテラン派遣社員の方でも何か気づくことがあると思います。
では、さっそく見ていきましょう。
就業までの流れ【4つのSTEP】
派遣会社によって順番は前後しますが、概ね下記の流れで就業します。条件が合えば登録後すぐに就業可能です。
住所・氏名・生年月日・電話番号等の基本情報、また学歴、職歴、持っている資格、希望条件などを登録します。
登録した内容を元に面談をします。面談は来社・Web・電話など派遣会社によります。スキルチェックもまた来社の際に行ったり、自宅でWebで行うなど派遣会社によります。
条件が合えば、面談の際に仕事を紹介してくれます。条件に合う仕事がなかった場合は、条件に合った仕事が発生した際に連絡があります。紹介された仕事が自分の希望に合えば話が進められ、今度は就業先の企業へあなたが紹介されます。派遣会社から再度連絡があり、結果が伝えられます。単発ではあまり多くはありませんが、場合によっては就業先との面談(顔合わせ)を要請されることもあります。
就業先の企業もOKなら決定です。
契約を結んで就業します。
派遣会社へ登録の際は本人確認書類が必要な場合が多いです。また、日雇派遣で就業する場合は源泉徴収票または確定申告書が必要となります。派遣会社のサイトで必要な書類をチェックして、あらかじめ用意しておきましょう。
地域・職種などを検討して、まずは派遣会社に登録してみましょう。
面談では何を聞かれるの?
面談の内容は、経歴やスキル、希望する条件などです。事前に登録した内容に沿って進められます。
登録した内容の確認の意味もありますが、他にも見た目、話し方・話す内容などから、あなたがどんな人物なのかもチェックされます。
面談の際の服装はスーツかジャケット着用、またはオフィスカジュアルが良いでしょう。露出が多かったり、派手な格好は控えた方が無難です。
過度に身構えることはありません。
きちんと清潔感のある身なりをして、敬語で自然に会話が出来ればOKです。
話すのが不得意だったとしても、真摯な姿勢が伝われば大丈夫です。
面談担当者は、登録者の悪いところを探り出そうとしているわけではなく、
「この方にはどんな仕事を紹介しようか」
と親身になって考えてくれていますので安心して面談を受けてください。
事前にどんなことを話すか、頭の中でイメージしておくと良いでしょう。声に出して軽く練習しておくと言葉が出てきやすいですよ。
では練習してみますのでお付き合いください。
私は会社員時代、採用の仕事をしていたので、基本的なPC操作やExcelとWordは出来ます。
またPowerPointを使ったプレゼン資料作成が得意です。
電話対応も抵抗なく出来ますし、人前で話すのも好きです。
仕事はデスクワークを希望します。
3歳の子供がいるので、週3日、16時半までの時短勤務の仕事をご紹介いただきたいです。
いいですね。明るくはきはきしていて好印象です。
スキルチェックって何するの?
スキルチェックは、登録スタッフと派遣先を適正にマッチングさせるため(ミスマッチを防ぐため)に行われます。
派遣会社によって(希望する職種によって)スキルチェックがないこともあります。
スキルチェックの結果が良いほど、紹介してもらえる仕事の幅と数が増えます。同じ仕事に応募者が重なった場合、スキルチェックの結果が良い方が有利です。
スキルチェックは、自宅のPCで受けるケースと、面談の際に派遣会社で受けるケースがあります。
派遣会社、希望職種によって内容は異なりますが、大手派遣会社では概ね下記の範囲です。
- タイピング
- Word・Excelの実技
- 一般教養、ビジネスマナー
- 適性検査
①タイピング
- ①タイピング
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タイピングの入力速度・正誤率の測定をします。
PC画面に表示される文章を、キーボードでその通りに入力します。一言一句違えず入力するよう努力しましょう。制限時間内に何文字入力出来て、ミスが幾つあったか、その場で結果が出ます。焦って入力すると、どんどんズレてミスだらけになりかねません。大きなミスは訂正しつつ、落ち着いて正確に入力するようにしてください。
その後、テンキー(数字)のテストも行います。
誰でも緊張してなかなか思うような実力は出せないものです。
後日、再度チャレンジ出来ますので気楽にチャレンジしましょう。
ちなみに、データ入力の仕事の募集の際、派遣会社で選考する時はこのテストの結果を元に判断されます。事前に練習したい方、自分がどれくらいのスキルがあるかテストしたい方は、無料で利用できるタッチタイピングの練習・スキルチェックのサイトがあるので活用してみてください。
タイピングをテストしたい方は②Word・Excelの実技
1.Wordの実技
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- 文字装飾などの書式設定
- 画像やグラフ挿入
- インデント
- ヘッダーフッター、ページ番号
- 印刷設定
PCで指示された通りの文書を作成します。
例えば、文字を「赤字・太字・12pt」にしたり、文章を中央揃え・右寄せにしたりなどです。
気を付けたいのは、見本と同じ文書を作れたとしても、中央揃えや右寄せをする際にスペースキーでずらしていたら出来たことにはなりませんので要注意。
必ず、タブやマウスの右クリックの「段落」の機能を使いましょう。2.Excelの実技
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- セルに数値や文字の入力ができる
- 色の変更や網掛けができる
- 行や列の挿入・削除ができる
- 四則演算ができる
- 表を元にグラフを作成できる
- 関数(SUM、AVERAGE、VLOOKUPなど)、ピボットテーブルを使うことができる
苦手なら無理する必要はありませんが、デスクワークをするなら簡単な関数は使えるようにしておくと実務で役立ちます。IF関数も使えると便利です。上級になると、VBAやマクロといったテストがある場合もありますが、これは出来る方のみでOKです。
③一般教養、ビジネスマナー
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一般常識は、漢字、四文字熟語、慣用句、敬語の使い方、簡単な計算問題などです。
ビジネスマナーは、社内の報連相(ほうれんそう)について・社内情報漏えいの対策方法・服装・言葉遣いなどです。ビジネスマナーが身についていない登録スタッフを企業へ派遣させると、大きなトラブルにもなりかねません。選択式ですし、常識的に答えれば問題ないと思われますが、ビジネスマナーは大事な項目だと心得ましょう。
例えば、
「書類を机の上に広げっぱなしにしない」
「席を離れる時はPCにパスワードをかける」
「社外の人に業務上の話をしない」
「社内のものを不用意に社外に持ち出さない」
などです。④適性検査
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登録者に合った派遣先・仕事を探すための検査です。新卒の就職試験などでも行われているので、行ったことがある方も多いでしょう。
質問に対し「はい」「いいえ」の2択、または「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」「当てはまらない」「どちらかといえば当てはまらない」の4択で回答します。
その質問に対する回答によって、あなたがどんな人物でどんな仕事(企業)が向いているかを把握します。- 業務を遂行する能力があるか
- 特定の職業に対して性格的に向いているか
- 配属される企業や部署との相性
- 社会性があるか、ストレス耐性があるかなどのパーソナリティの把握
「本当はこうだけど、こう答えた方がウケが良さそうだ」などと考えて答えると、後々自分に合わない企業で仕事をすることになって苦労することにもなりかねません。
ご自身のためにも偽らず、ありのままに答えてください。
補足
デスクワークをしたことがなく、どうしてもスキルチェックを受けたくない場合、大手ではなく中小規模、主に軽作業を扱う派遣会社を探してみてください。
しかし大手派遣会社の方が仕事の数が多い(軽作業の仕事も含めて)ので、デスクワーク未経験の方でもスキルチェックを恐れず、まずは大手派遣会社に登録してみると良いと思います。
スキルチェックの結果が良くなくても、派遣会社は「この方にはデスクワークではないお仕事をご紹介したいな」と思うだけです。
専門職種に特化した派遣会社の場合、その専門内容に沿ったスキルチェックをすることがあります。
例1)
製造業・軽作業:ボルト・ナットをスパナで締める、ドライバーでねじを締める
例2)
英語:ネイティブとの面談、電話での抜打ちテスト
例3)
経理:決算仕訳やB/S(貸借対照表)作成、P/L(損益計算書)作成
テスト対策
タイピング、Word、Excelは予め練習しておくと本番に余裕をもって挑めます。
Word、Excelの練習は、Youtubeの金子晃之さんの解説が分かりやすくてオススメです。
また、派遣会社に登録後、派遣会社のスキルアップ研修に参加するなどして、少しずつ勉強して仕事の幅を広げるのもいいでしょう。
元々デスクワークをしていたまいさんは、改めて勉強する必要はなさそうですね。
はい! タイピングもWordもExcelも得意です。
…なんて自信満々に言ったけど、実は最近PCを使っていなかったから少し不安です。
それなら軽く練習しておくと安心です。
練習は、少しブランクがある人が思い出す程度でOK。
スキルチェックの点数が低いからと言って、登録させてもらえないということはないと思います。
苦手な人は登録前に無理に勉強せず、仕事をしながら徐々にスキルアップしてゆきましょう。
仕事を紹介してもらう
登録が終わったら、仕事を紹介してもらいましょう。
面談の際に、条件に合った仕事があればその場で仕事紹介を受けられます。
条件に合った仕事がなかった場合は、後日、条件に合った仕事が発生した場合に連絡をしてくれます。
もしくは、派遣会社のWEBサイトの検索ページで自分で仕事を検索して、エントリーする方法もあります。
エントリーしたら、早ければ当日、遅くとも2、3日で派遣会社から連絡をもらえます。
なかなか連絡がなかった場合は、既に候補者が決まってしまっていたか、もしくは社内選考に落ちた可能性が高いです。
人気のある仕事だと、応募者が多数になります。特に単発の仕事は、仕事の数より希望者が多い場合も多く、すぐに候補者が決まってしまいます。
「積極的にエントリーしてるけど、全然仕事を紹介してもらえない。」
そういう場合は、
「譲れない条件」と「譲っても良い条件」を整理して条件を緩め、改めて派遣会社に相談してみましょう。
例えば、希望時給を下げてみたり、勤務地を広げてみたりなど。
何もアクションを起こさず待っていても、なかなか仕事を紹介してくれません。
気になる仕事が派遣会社のWEBサイトにあったら、その仕事に記載されてる営業所の電話番号に問い合わせてみても良いでしょう。仮にその仕事が駄目でも、他の仕事を紹介してくれるかもしれません。
それでも駄目な場合は、他の派遣会社に登録してみましょう。
契約締結
無事仕事を紹介してもらい、派遣先もOKを出してくれたら、派遣会社から契約書が送られてきます(最近は電子契約書が多いです)。
契約書を手に入れたら、契約内容と事前に聞いて承諾した内容が合っているか、必ずチェックしましょう。
就業場所、仕事内容、就業時間、時給など、事前に聞いていた内容と異なっていたということもあります。単純にミスで契約書が間違っていることもあります。
当日の持ち物
- 筆記用具(ボールペン、シャープペンシル、消しゴム、定規、指サック)
- ノート、メモ帳
- 名刺入れ
- 印鑑
- 飲み物
- お弁当(状況による)
- 眼鏡・老眼鏡(必要な方のみ)
【立ち仕事の場合】
- 小さくて薄いショルダーバッグ
【その他】
- 羽織るもの
- タイムカード
筆記用具は、三色ボールペンがオススメ。黒赤のボールペンとシャーペンの組合せの三色ボールペンが一本あると重宝します。ノートは何でもOK。メモ帳もあると便利です。
定規は線を引くだけでなく、データ入力の際にも活躍します。
紙に印刷された数字をExcelに入力する時、数字を横一列に目で追っていくのに定規を当てると間違いにくくなります。その際は文字が透けない色のついた定規だと便利です。
指サックは、紙を数えたり、書類を扱う際にあると便利です。
名刺入れは、派遣会社の営業担当者や派遣先の方々から名刺をいだたくので、あると良いでしょう。
印鑑は必須ではありませんが、交通費の請求書や個人情報関係の書類に必要な場合があるので、シャチハタでも良いので持っておくと安心です。
飲み物は、水筒を持って行くか、就業先に着く前にペットボトルなど中身がこぼれない飲み物を買っておくと安心です。
お昼はどうするか、あらかじめ考えておきましょう。派遣会社の営業担当者かアシスタントさんが事前に「お昼を食べるスペースがあるのでお弁当を持ってきても大丈夫ですよ。会社付近に飲食店もたくさんあるので、外食でも良いですよ」などと教えてくれると思いますが、教えてくれなかった場合は聞いてみましょう。
眼鏡・老眼鏡は、必須ではありませんが、目に自信のない方は持っておくと安心です。デスクワークは目を酷使します。コンタクトレンズの調子が悪くなった時、眼鏡があると助かります。また、老眼ぎみの方は老眼鏡があると仕事がはかどります。印刷物の文字が凄く小さい場合もありますので用意しておきましょう。
小さくて薄いショルダーバックは、試験監督など貴重品を持ち歩く必要のある場合にあると便利です。無印良品に売っているものがオススメ。
羽織るものは、夏に冷房が強い場合があるので、一枚持っておくと安心です。
タイムカードは、予め派遣会社より渡されている場合は持って行きましょう。
当日の服装
服装については、事前に担当アシスタントさんや営業さんから連絡があると思いますので、その指示に従ってください。デスクワークの場合は「オフィスカジュアル」が多いと思います。
オフィスカジュアルとは「ビジネスシーンでも違和感のないカジュアル要素のある服装・ファッション」とされています。しかしその定義も会社によってまちまちです。一般にはジーンズやTシャツ、ノースリーブやサンダルはNGとされていますが、そういった服装でもOKな職場もあります。
まずは無難な服装でしばらく様子を見ましょう。
もし不安があるようでしたら、営業担当さんに具体的に質問してみると良いですよ。
私のオススメはフェリシモ
正にオフィスカジュアルな服が勢ぞろい。
無難で、サイズが豊富で、着心地が良くて、洗濯も可!
個人的に物凄く助かっています。
仕事着は、華美でなく、個性的でなく、お手頃価格で機能的。これに尽きますよね。
就業当日
前日にしっかり用意して、くれぐれも忘れ物がないようにしましょう。
スマホは持っていますか?
服装は大丈夫ですか? シワだらけではありませんか?
また、事前に企業までの行き方をしっかり調べておいてください。
駅の何番出口から出るのが最も近いか、そこから会社まで徒歩何分かかるか計算し、余裕をもって現地に着くようにしましょう。
待ち合わせ時間までにお手洗いも済ませておき、ついでに身だしなみもチェックておくと安心です。
電車の遅延や道に迷って遅れる場合は、必ず早めに派遣会社の営業担当に連絡をしましょう。
早めに家を出ても、電車の遅延に当たることはよくあります。
落ち着いて、ちゃんと報告すれば大丈夫です!
円滑に単発派遣バイトで稼ぐための心得
- 時間を守る
- 礼儀正しく振舞う
- 職場に合った服装や髪型にする
- 職場の雰囲気を察し、その空気に合わせる
- 職場の人と円滑な人間関係を築くことを心がける
- 派遣先のミッションを理解し、それを達成する努力をする
特別なことじゃなく、ごく当たり前のことですね。
「職場の雰囲気を察し、その空気に合わせる」とは例えばどんなことですか?
職場の雰囲気やルールって各社全然違うのよ。静かな会社で元気よく挨拶したら目立っちゃう。一方、廊下ですれ違うたびに「お疲れ様」って挨拶する会社もあるしね。
つまり郷に入れば郷に従え、ってことですね。
それが余計なトラブルを起こさずスムーズに仕事をこなすコツです。
自分の為にも、派遣会社・派遣先のためにもなります。
ゆうきさんは職場に溶け込むのが得意だから、よく昔からいる社員と間違われたそうですね。
(笑) それはともかく、お互い気持ちよく仕事を終えられるよう尽くす姿勢があれば大丈夫。
逆に時間にルーズだったり、問題が起こっても報告しないで放置したりすると、その後仕事の依頼が来なくなる可能性もあるので気を付けましょう。
最後にひとこと。
単発派遣バイトでも、仕事は自分の持てる力を最大限に発揮して一生懸命に取り組むべきだと思います。
それは決して綺麗事ではなく、後々自分のためになるからです。
正確に早く作業を行おうと工夫をし、努力をすることで、実力がアップします。
逆に、工夫や努力を怠ると、いつまでたってもスキルは上達しません。
実力がアップすると自信がつきます。仕事の幅も広がりますし、行く先々で「またこの方に来てもらいたい」と思ってもらえるようになります。
また、集中して作業すると時間が経つのも早いです。
だらだら作業をしていると、時間が経つのが遅く感じるものです。
自分に対するチャレンジだと思って、仕事は全力で取り組みましょう。
きっと、知らず知らずのうちに実力がついていますよ!