日雇派遣原則禁止と例外となる業務
日雇派遣とは、派遣会社に登録している方が事業所で1日~数日間だけ働くことを言います。
平成24年10月1日から施行された改正労働者派遣法により、日雇派遣が原則禁止となりました。
ただし例外となる業務があります。その業務を行う場合は日雇派遣で働けます。
また例外となる業務以外の仕事でも、ご自身が「許可される条件のうちのどれか」に当てはまれば日雇派遣が可能です。
就業する業務が「禁止の例外となる業務」。
または、
ご自身が「日雇派遣が許可される条件」に当てはまる。
どちらか一方をクリアしていればOKです。
- ソフトウェア開発
- 機械設計
- 事務用機器操作
- 通訳、翻訳、速記
- 秘書
- ファイリング
- 調査
- 財務処理
- 取引文書作成
- デモンストレーション
- 添乗
- 受付・案内
- 研究開発
- 事業の実施体制の企画、立案
- 書籍等の制作・編集
- 広告デザイン
- OAインストラクション
- セールスエンジニアの営業、金融商品の営業リスト
- 60歳以上の者
- 雇用保険の適用を受けない学生(いわゆる「昼間学生」)
- 副業として従事する者(生業収入が500万円以上の者に限る。)
- 主たる生計者以外の者(世帯収入が500万円以上の者に限る。)
「日雇派遣が許可される条件」について、もう少し簡単に言うと……
- 60歳以上の方と、雇用保険の適用を受けない範囲で働く学生。
- 本人の収入が500万円以上ある方の副業。
- 夫または妻の収入と、本人の収入が合わせて500万円以上ある方。
ということになります。
あくまで「副業」として働くならOKということですね。
ちなみに、禁止されているのは「30日以内の派遣」のみです。
労働契約の期間が31日以上の場合であったり、アルバイトやパートなどの直接雇用では、例外に当てはまらなくても働くことができます。
主婦(主夫)で多いパターンは③ですね。
夫または妻の年収が仮に600万円だとしたら③に当てはまります。
もしくは夫または妻の年収が仮に400万円で、本人が去年パートで100万円稼いでいても③に当てはまります。
実際に単発派遣バイトでの就業が決まった際は、「日雇派遣が許可される条件」に当てはまるかどうか、派遣会社から前年度の「源泉徴収票」または「確定申告書」の提出を求められます。問題がなければ晴れて契約ということになります。
日雇派遣が原則禁止されている理由
日雇派遣が原則禁止されているのは、雇用の安定をはかるためです。
2008年から始まったリーマンショック(金融危機)後に「派遣切り」が話題になり、日雇派遣で働いている方たちの雇用の不安定さが大きな社会問題となりました。
正社員と違って、非正規社員は社会保険の加入ができないことも多く、 昇給制度、賞与制度、退職金などがありません。また、日雇派遣は、短期の業務を想定しているため、教育などの機会も基本的にありません。更に、日雇派遣だと次の仕事がすぐ見つかるとは限りません。
この「単発派遣バイトで稼ごう」では、副業として単発派遣バイトで稼ぐ方法をお伝えしています。
生計を立てるために働く方は、正社員を目指したり、非正規であっても労働契約の期間が31日以上の仕事に就くことをお勧めします。
派遣の仕事は単発だけではなく、中長期のお仕事もたくさんあります。
長期で働いているうちに正社員に登用されるケースもあります。
また、派遣先の企業に直接雇用されることを前提とした「紹介予定派遣」という働き方もあるので、是非そちらを検討してください。
日雇派遣原則禁止の例外に当てはまらない方への裏技
夫と自分の収入を合わせても500万円に満たない。
禁止の例外となる業務も出来ない。
だから日雇派遣原則禁止の例外に当てはまらない。
でも単発派遣バイトをしたい! という方へ向けた裏技をご紹介します。
月初3日間、月末5日間など、毎月決まった日数業務に当たる仕事というのが結構あります。そういった仕事の契約は3ヵ月や半年、1年など長期になるので、日雇派遣には当たりません。
また、そういった仕事をすることで、翌年の収入が増え、家族合わせて500万円以上の収入を達成し日雇派遣でも働けるようになるケースがあります。
例えば、夫の収入が450万円、自分が0円だとします。
日雇派遣をするには夫か自分が50万円以上稼ぐ必要があります。
自分が毎月5日間の仕事をすることで、9か月働けば夫婦合わせて収入500万円以上を達成できます。
(例:時給1700円×7時間×5日=月59,500円
59,500×9か月=535,500円)
夫:450万
自分:53.5万円
計:503.5万円
これで翌年から単発の仕事に就くことが出来ますね。
仮に翌年、月初毎月5日の仕事の契約がなくなったとしても、前年にその仕事で50万円以上の稼いでいればOKなので、翌年は自由に単発派遣バイトをすることが出来ます。
月5日なら、毎月同じ会社で同じ仕事をするとはいえ、単発派遣バイトをするのと変わらないですよね。
それに長期契約だから、新しい仕事を探さなくても毎月決まった日数仕事が出来るので、単発派遣バイトで安定した仕事を求める方にはよい働き方だと思います。
デメリットはありませんか?
うーん。強いて挙げるなら、雇う側も慣れてしまって、雑な扱いをされがちになることかな。
単発派遣バイトだと、「派遣会社から仕事をしに来てくれた方」として手厚く(?)おもてなしを受けたりします。
ところが、数日とはいえ長期契約で毎月同じ職場に行っていると、段々とその感じがなくなる傾向にあります。
もちろん職場によりけりです。
お互いに慣れて楽しいという場合もありますから、あまり気にしなくていいかもしれません。
いいことを教わりました! 頭に入れておきま~す。
まとめ
日雇派遣は原則禁止されています。
しかし就業する業務が「禁止の例外となる業務」であるか、自身が「日雇派遣が許可される条件」に当てはまれば日雇派遣として単発派遣バイトをすることが出来ます。
また、単発ではなく労働契約の期間が31日以上の場合であったり、アルバイトやパートなどの直接雇用では、例外に当てはまらなくても働くことができます。
ただ、アルバイトやパートより単発派遣バイトの方が時給が高い仕事が多いです。
日雇派遣禁止の例外に当たらない場合は、裏技も検討してみてください。
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