【業界を俯瞰】同じ業界でもこんなに違う!│同業種の様々な企業が集まる仕事で働いた経験

この記事では、補助金関連の仕事で、ある業界の主だった企業が共同作業を行う仕事に参加したエピソードをご紹介します。

この経験を通して「同じ業種でも、企業によって雰囲気も集まる人材もまるで違う」ということがよく分かりました。
これは転職や単発派遣バイトをしたことがない人には見えにくい視点です。

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テーブルを回り、日ごとに違った会社の社員と仕事

その仕事は、段ボールで送られてきたたくさんの封書を開封し、中の書類を分けて集計する仕事でした。
広い会場には、10名程度が座れる長テーブルが20~30個。

各テーブルには、会社ごとに社員が着席。
そこに一人ずつ、派遣社員が記録係として座りました。

つまりテーブル①は、A社の社員が9名、派遣社員が1名。

その仕事は数日間あり、毎日座るテーブルは変わります。
よって、日ごとに違った企業の方とチームで働きました。

【この仕事の作業内容】

  1. 段ボールから封筒を取り出す
  2. その封筒を開封
  3. 中の書類を分類する
  4. 分類された書類に記載された名前をPCに入力

私以外の皆さんは1~3まで。
私は4の仕事を担当します。

作業自体は簡単。
ですが、単なる開封作業と記録といっても、チームによってやり方も雰囲気も千差万別。おまけに10名程度で作業するとなると、コミュニケーションや共同作業といった面での苦労が生じます。

さて、私がどんな体験をし、どんな問題をクリアしていったのか!?

それぞれのテーブルを見ていきましょう。

新卒が集まるテーブル

そのテーブルは、私もよく知っている身近な企業の新卒が集まるテーブルでした。
そこに「見ず知らずの派遣社員」という異分子が一人混ざった状態で仕事をします。

自己紹介をするでもなく、よそよそしい感じで作業が始まりました。

とりあえず、私は皆さんが書類を分類するのを待ち、ある程度溜まったら私が皆さんの席を回って書類を回収して入力する、という流れにおのずとなりました。

しかし!

段ボールに入った書類を回収する際、毎回腰を曲げる必要があるので、すぐに腰が辛くなってしいまいました。
このままだとヤバイ。仮に今日は腰がもったとしても、明日、明後日に腰痛で仕事が出来ないなんてことにもなりかねません。

それを避けるには、作業の仕方をちょっと変えてもらう必要があります。
かなり言いにくい雰囲気だけど、自分の為にも言わなければ!

そう思った私は

「皆さん! 分類した書類は、ある程度溜まったら段ボールに入れずに机の中央に置いてください。そすると私が腰を痛めずに済みますので(笑顔)」

と、お願いしました。
すると皆さん、少し「ぽかん」としつつも協力してくれました。

他にも「こうすれば効率がいいのに」と思うことが多々あったので、偉そうに見えないよう、うとましがられないよう、謙虚に笑顔で感じ良くを心掛けて、提案するような形でこのテーブルの仕事の効率化をはかりました。

まだ社会人になりたてで仕事の仕方が分からないだけで、お願いすれば素直に応じてくれました。

そして肝心の仕事ですが、作業スピードの速いこと!
そこはさすがフレッシュマンでした。

優秀な新卒が集まるテーブル

その業界でも名の知れた、ちょっと高級路線の商品を扱う会社の新卒が集まるテーブル。

きらっきらしてる!

それが席に着いた第一印象でした。
見た目がシュッとしている美男美女。しかも動作もきびきびしています。
眩しすぎて直視できません。

 

もちろん、仕事は見た目ではありません。
どれどれ、今度もお姉さんが効率の良い仕事の仕方を教えてあげよう……そう思っていたのですが。

分類した書類は誰が言うともなく端から集められ、タイミングよく私の元へ届けてくれました。
しかも「どうしたら私がやり易くなるか」を尋ねてくれます。
おまけに、常に私の作業を気遣ってくれ、手が空いた時には気の利いた世間話までしてくれます

私が指揮する必要は全くなし。
もう、何も言うことはありません。

もちろん、作業スピードは超速。
しかも正確です。

おかげさまで私はだいぶ助かりました。
作業自体もそうですが、精神的にもとても楽。感謝感謝。

これには、さすがあの企業の社員になっただけあるなと思わざるを得ませんでした。
感服です。

年齢層の高い人が集まるテーブル

60代の男女が集まるテーブル。

まず、誰が言うともなく「自己紹介をしましょう」ということになり、端の席の人から自己紹介が始まりました。
続いて、各自ふせんに名前を書き、誰が誰だか分かるようにコロナ感染防止パネルに貼りだしました。

最初、自己紹介をし始めた時は「学校じゃないんだから(苦笑)」と思ったのですが、おかげでコミュニケーションが取りやすくなりました。

また、準備や段取りも良く、一人一人がとてもよく気を利かせて協力し合います
コミュニケーション能力高し!

これには、さすが「年の功!」と内心で舌を巻きました。
ちょっとお節介ではないか、という面もなくはなかったのですが、それくらいでちょうどいいのかもしれません。

ただ、仕事は「ゆっくり、丁寧」。
作業がゆっくりになってしまうのは、老眼で目が見えにくいということもあるかもしれません。

しかし「ああ、この人のこの書類は、ここが間違ってるな~」「へぇ、こういう事例もあるのか。勉強になるなぁ」などと、書類を開くたびに毎回コメントしながら作業する人がチラホラいるせいで、作業スピードは他のテーブルの半分以下でした。

本当は、見るべきところだけをチェックし、分類し、機械のようにならなくてはいけない仕事なんですけどね。

段取りや連携は完璧なのでミスも少なく、トラブルもなく、各自それぞれ作業を楽しんでいたのが印象的でした。

 

外国人が集まるテーブル

中国と韓国の方が多いテーブル。

事前に仲間から「ここのテーブルの人たちは、お願いしても、ああだこうだと言って言うことを聞いてくれないから注意してね」と言われていたのでドキドキ。

実際「こうした方が作業がスムーズになるのでこうしてくれませんか」とお願いしても「いや、そうではなく、こうした方がいいのではないか」と反論されました。

おっ。きたな!

事前に話を聞いていたので覚悟はしていました。
それに、私もだてに多くを経験していません。

「確かにそのやり方もありますね。でも、~なので、この方がいいですよ」と論理的に説明し、実際にやって見せると「なるほど」と納得してくれて、その後はスムーズに作業を流すことが出来ました。

というわけで、最初さえクリアすれば特にやりにくいということは全くなし。

おしゃべりが好きな方が多く、その会話に耳をそばだてるのも楽しかったです。
中国語の会話は分かりませんでしたが。

隣の席でご一緒した韓国の方がとても親切で、様々な経験談を聞かせてくれました。
そしてお近づきの印にと、手作りのマスクホルダーをくださいました。

私たち日本人よりもはっきりと意見を口にする傾向があるというだけで、自分の意見に固執するわけではないので、ちゃんとコミュニケーションを取ればOKでした。

同じ業種でも会社によって社風も集まる人も様々

全部を回ったわけではありませんが、他にも様々なテーブルがあったようです。
とあるテーブルでは仕事中のおしゃべりの声が大きすぎて、何度も注意をされていました。

仕事全体としては、2、3百人集まると、中にはこういった作業が苦手な方もいて、書類を落としてしまって誰のものだか分からなくなってしまうトラブルや、書類を誤ってシュレッダーにかけてしまうトラブルなどがありました。

色々な人がいるな、と思うと同時に、同じ業種でも会社によって雰囲気や集まる人材が全く違っているなと思いました。
私は各テーブルをぐるぐる回りましたが、一つのテーブルにずっといるとそこが世界のすべてになってしまい、自分もその世界の色に染まってしまうものだなと強く感じました。

日頃、色々な企業を訪問している私ですが、一つの仕事で、同じ業界の様々な会社を俯瞰して見ることが出来たのは面白い体験でした。

本当に入る会社は大事ですね。
逆に、ひとたび会社を出たら、新しい世界が待っているということでもあります。自分や自分の人生を変えたいと思うなら、転職するべきだなと感じました。

ゆうき

この仕事で一番力を使ったのはコミュニケーション能力。自分の作業がやり易くなるように、初めて会う人々に「こうしてください」とお願いするのは結構ストレスですが、それに成功するとその後の作業が非常にスムーズになります。

まい

「今まではこういうやり方をしてきたので、そのやり方は受け入れられません」とか言われないか不安で、私には無理そうです。

ゆうき

確かに「今までのやり方を変えろ」と言われたら戸惑う人がいるのは想像できますよね。実際、そうなりました
しかしそこはお願いの仕方と、納得のいく説明。これは経験値を積んで上手になるしかないですね。

まい

私は言いたいことを言えないタイプなんです。でも、それを飲み込んでしまうとずっとストレスを抱えたまま仕事をすることになってしまって、それもいけないなと思います。

ゆうき

そうですね。自分の為にも、仕事の効率化をはかるためにも、言うべきことは言えるようになりましょう。感情をこめず、論理的に、柔らかく、ね。

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